Photoshopで拡大して劣化した画像をキレイにする3つのポイント

Photoshopで拡大して劣化した画像をキレイにする3つのポイント

こんにちは、トーモです。

Photoshopで扱うデジタル画像は拡大をすると画像が劣化してしまいます。

なので通常は大きいサイズの画像を使用して、必要に応じて小さくします。

でも、必ず大きなサイズの画像が手に入るわけじゃありません。

どうしても小さい画像を大きくして使わなければならない場合もあります。

今回は小さい画像を拡大して劣化したときに、その画像をキレイにするポイントをご紹介します。

なぜデジタル画像を拡大すると劣化しちゃうのかはこちらの記事をご参考ください。

Photoshopの基礎知識を覚えよう 「デジタル画像編 その1」

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拡大した画像はどのように劣化するのか?

使用する元画像

今回ワンちゃんの画像を使ってマグカップを作って欲しいと依頼されたんですが、その元画像がとっても小さいサイズだったんです。

元画像はこちら。

元画像

画像サイズは幅605px、高さ492px、解像度72ppiです。

ズームしてみると右の画像のようにかなり粗いですね。

個人の方から写真を預かる場合、こういったサイズが小さすぎて印刷に適さない画像のケースってけっこう多いです。

マグカップなどのように印刷で画像を使う場合、解像度は300ppi以上が望ましいです。

というわけで、まずはPhotoshopで解像度を300ppiに拡大してみます。

Photoshopで画像の劣化を抑えて拡大する方法

ここがポイントの1つ目です。

Photoshopの機能を使ってできるだけ劣化を抑えて画像を拡大します。

メニューバーから「イメージ」→「画像解像度」を選びます。

画像解像度を選ぶ

すると画像解像度のダイアログが開きます。

画像解像度ダイアログ

解像度が72ppiになってますので、この数字を300に変更してあげるんですが、その前にやることがあります。

再サンプルにチェックを入れて、項目から「ディテールを保持(拡大)」を選びます。ノイズ軽減を%で指定できますので、任意の数字をいれます。

最初は100%で試してみて、画像のディテールが無くなっちゃう場合は数字を低くしていくと良いです。

 

再サンプルというのは簡単にいうと画像を拡大した時に不足するピクセルをPhotoshopが自動で補完してくれる機能です。

通常は「自動」になっていますが、そのままだと拡大した時にノイズが出てしまうので先ほどの「ディテールを保持(拡大)」を選びます。

下の画像は左が「自動」、右が「ノイズ軽減100%」で300ppiに拡大した比較画像です。

画像を拡大した結果

左の「自動」のほうはノイズが出てジャギジャギ感が強いですよね?

画像を拡大するとこのように劣化してしまうんです。

左の画像に比べると、

右はノイズが軽減されてなめらかになっています。

まずはこの方法で拡大しておけば、後々のレタッチが楽になります。

※注 ノイズはぼかして軽減してますのでやり過ぎに注意です。場合によっては自動で拡大したほうが良いこともあります。

 

Camera Rawフィルターでノイズを軽減する

2つ目のポイントは「Camera Rawフィルター」を使ってノイズを軽減する方法です。

メニューバーから「フィルター」→「Camera Rawフィルター」を選びます。

Camera Rawフィルター

Camera Rawフィルターのダイアログが開きます。

Camera Rawフィルターダイアログ

左側に適用する画像が表示され、右側に調整項目が表示されます。

調整項目のなかからディテールを選びます。山が二つ重なっているようなアイコンをクリックすればOKです。

ディテール

ディテールのなかの「ノイズ軽減」にある「輝度」と「カラー」のスライダーを右に移動させてノイズを軽減します。

「輝度」ではジャギジャギを軽減でき、「カラー」ではカラーノイズが軽減できます。

スライダーを移動させると左の画像に結果がプレビューされますので、それを見ながら調節しましょう。

ディテール 調整結果

今回は「輝度50」、「カラー60」にしてみました。

下の画像は適用前と適用後の比較です。

比較画像

左の適用前に比べると、右の適用後の画像はジャギジャギ感とカラーノイズが軽減されているのが分かります。

 

ぼかし(ガウス)でノイズを軽減する

3つ目のポイントは「ぼかし(ガウス)」でノイズを軽減する方法です。

2つ目までの方法で取り切れないノイズを軽減するときに使うのがおすすめです。

ぼかし(ガウス)でノイズ軽減

↑適用前の画像です。だいぶノイズは軽減されていますが、体の部分や目のまわりにまだノイズが残っています。

 

まずレイヤーを複製します。複製したレイヤーの名前を分かりやすいように「ぼかし(ガウス)」と付けました。(任意)

レイヤーを複製

次にメニュバーから「フィルター」→「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)」を選びます。

ぼかし(ガウス)を選ぶ

「半径」に数字をいれるとぼかし具合を調節できます。

画像サイズによって適用具合が変わりますので、プレビューを見ながら消したいノイズが消えるくらいぼかしましょう。

今回は5でちょうどいい感じです。

ぼかし(ガウス)ダイアログ

 

複製したレイヤーにレイヤーマスクを追加します。マスクを反転させて一度すべてを隠します。

レイヤーマスクを追加

あとはマスクを選択した状態でブラシを使って消したいノイズ部分をなぞっていきます。

なぞることで隠したレイヤーが復活していきますので、なぞった部分がぼけてノイズを軽減できます。

この時、ブラシの不透明度や流量の数値を低くして、薄いブラシで少しずつやりましょう。

流量など調整

 

下の画像のような残ったノイズが目立つ部分を軽減していきます。

ノイズが残った部分

 

調整後の比較画像です。

比較画像

 

あくまでぼかしてノイズを軽減していますので、ぼかしは少ないほうが良いわけです。

なので、ノイズを軽減できる必要最小限に止めるように意識しながらおこなうのがポイントです。

 

以上がPhotoshopで拡大して劣化した画像をキレイにする3つのポイントのご紹介です。

 

あとは切り抜き・色調補正で仕上げました。

ここまでご紹介した3つのポイントで、できるだけ劣化を抑えて画像を拡大しました。

その画像を使って切り抜き・色調補正をおこなって完成です。

そのあたりの工程はこちらの記事でご紹介しています。

Photoshopで犬の画像を加工する手順

ちなみに完成した画像はこちらです。

完成画像

まとめ

デジタル画像を拡大すると、どうしても画像が劣化してしまいます。

ノイズが出てジャギジャギした感じになっちゃうんですね。

それをキレイにする方法をご紹介しました。

ポイントは3つ、

画像を拡大する際に「ディテールを保持(拡大)」を選ぶ。

Camera Rawフィルターを使ってノイズを軽減する。

取り切れなかったノイズは「ぼかし(ガウス)」で軽減する。

 

簡単にいえばノイズをぼかして軽減させるんですね。

当然ですがやり過ぎるとノイズは消えたけどボケボケの画像が出来上がっちゃいます。

 

なので、ぼかす必要がない場所はぼかさず、ノイズを軽減する必要最低限のぼかしに止めるのが重要です。

 

もちろん画像サイズが大きいものを使えば拡大する必要がありませんのでそれが一番。

 

今日はこのへんで。

それではまた!

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