こんにちは、トーモです。
ダウンシフトという生き方を実践している髙坂勝(こうさか まさる)さんという方をご存知でしょうか?
ダウンシフトというのは簡単にいうと、意図的に収入を減らし同時に生活のペースも落としてゆとりのある生活に切り替えることをいいます。
そういった考えを実践している人々は「ダウンシフターズ」と呼ばれ、髙坂勝さんは国内のダウンシフターズの先駆けのような人です。
僕は何年かしたら千葉の田舎に移り住んで、自分たちが食べる分の野菜を育てたり魚を釣ったりしながら、ネットを介して仕事をして生活をしたいなーって願望があります。
そんな情報を物色していたら、髙坂勝さんの存在を知りました。
すぐに著書を購入して読んでみて、共感したり勉強になることが大きかったなかで、たまたま髙坂勝さんが都内で講演するという情報をキャッチしたので即決で申し込んでお話を聞いてきました。
髙坂勝さんの生き方、考え方はたぶんこんな方に参考になると思います。
日々売り上げ目標に追われ、疲弊している方
生活のために歯を食いしばって会社へいっている方
何のために仕事をしているのか分からない方
やりたいことが見つからない方
スモールビジネスをやりたい方
田舎暮らしをしたい方
雇われない働き方をしたい方
頑張らずに生きたい方
今回の講演は参加者が11名と少人数だったため、僕も直接お話することができました。
その時の内容もふくめ、髙坂勝さんのプロフィールなどをご紹介したいと思います。
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目次
髙坂勝さんとは?プロフィールのご紹介。
まずは髙坂勝さんってどんな人なの?
実際お会いして感じたのは、
とにかくエネルギーが湧き出てるということ。
周りの人を思わず惹きつけるような雰囲気をとても感じました。
Facebookのプロフィールをご紹介します。
30歳で大手流通業を退社。
一年間の旅の後、金沢で料理を学びながら社会活動も始める。
2004年、34歳から、
池袋でチッポケなORGANIC BAR
「たまにはTSUKIでも眺めましょ」をひとり営み8年。
千葉の田んぼで米と大豆を自給する半農半「呑み屋のオヤジ」。
講演、執筆にて、
経済/社会/企業/生き方の「ダウンシフト」をアウトプット。
たまにライブもしてしまう(皆様にご迷惑おかけしています (@@);ナマケモノ倶楽部世話人 / NPO法人 SOSA PROJECT 代表
緑の党 共同代表
※池袋のBAR「たまにはTSUKIでも眺めましょ」は残念ながら2018年3月で閉店しております。
僕が髙坂勝さんを知ったのは5月だったので、あと2か月早く知っていれば行ったのに!(泣)
現在は千葉県匝瑳市(そうさし)でのNPO法人 SOSA PROJECTの活動に力を注いでいるそうです。
髙坂勝さん自身、30歳まで百貨店の婦人雑貨担当として会社勤めをしていました。
経済が右肩下がりのなかで、前年対比に常に追われながら必要のないものをお客さんに売っていくうちに、次第に心が疲弊していったそうです。
そしてかねてから漠然と考えていたBARを営みたいという思いから、会社を辞める決断をされます。
著書によると、この決断は夢を追うというよりも現実逃避のほうが大きかったそうです。
でも、今ではやりたいことを自由にできる生活を手にしているわけですから、結果的にこの決断は正しかったわけですね。
会社を辞めたあとの髙坂さんは約1年ほど野宿をしながら日本全国をまわったり、ピースボートで世界をまわる旅に出たりしたそうです。
そして金沢へ移り住み、友人の経営する飲食店やそのほかのお店でアルバイトをしながら料理の技術を習得します。
なんでもそれまでは目玉焼きしか焼いたことがなく、米の研ぎ方さえ知らなかったというから驚きです。
2年半の期間を経て、2004年10月に池袋にBAR「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称たまTSUKI)をオープンさせます。
ここが髙坂さんの魅力だと思いますが、BARをオープンさせたときのポリシーとして、
繁盛しないことを目標にしたそうです。
ほとんどの人が自分のお店をオープンさせたら、普通は何よりも繁盛することを第一に考えますよね?
髙坂さんの場合は真逆で、
まず6.6坪の14席という小さなお店で1日何人のお客さまが来店すれば生活が成り立つのか考えたそうです。
その結果、1日5人。
お店の内装などできる範囲で自分でおこない、販促もせず人も雇わず昼間の営業もせず、自分の好きなことだけを組み合わせたお店つくりにしたそうです。
そういった髙坂さんの考えや人柄に惹かれた人たちが、リピーターとなってお店を訪れてお客さまの数は日に日に多くなっていきました。
お客さまが多くなってお店が繁盛してきたら、普通はこんなことを考えます。
■お店の規模を大きくしよう。
■もうひとつお店を出して多店舗化しよう。
■人をもっと雇おう。
でも先述のとおり繁盛しないことを目標にした髙坂さんはお客さまが増えていった結果、
お店のお休みを1日増やして週休2日にします。
僕はこの考えってすごいなって思いました。
売り上げが伸びて事業を大きく拡げると上手くいかなくなったときのリスクも大きくなるじゃないですか。
僕はある業界のネットショップを運営していますが、その業界で10年ほど前に大ブームがありまして、その時ブームに乗って多くのお店や会社が手広く規模を大きくしていったんです。結果それらのお店は現在ほとんど残っていません。
髙坂さんの場合、自分の生活が成り立つ売り上げだけあれば良いという考えなので、大きく伸ばすリスクを取らない分安定しているともいえます。
最終的には週休3日になったそうです(笑)
また、BARを経営するかたわら千葉県匝瑳市に田んぼを借りて農業もスタートさせています。
米と大豆を自給するのを目的としていますが、その理由として著書によると、
米は主食であり、大豆は食を豊かにしてくれる味噌や醤油に変化する。この2つが自給できれば何があっても生きていくことができるからだそうです。
人って食べていくためにお金が必要なので仕事しますよね?
食べるものを自分で作れれば、その分生きていくために必要なお金も減るし、自給できることで自信になったり安心感が得られるわけですね。
髙坂さんはNPO法人 SOSA PROJECTを立ち上げて匝瑳での自給と移住を斡旋する活動をされています。
髙坂勝さんの講演を聞いて思ったこと。
先日都内の大久保で髙坂勝さんの講演がありました。
僕は著書を読んでものすごく考え方などに共感していたので、偶然その講演の情報をゲットして前日でしたがすぐに申し込みました。
講演といっても、髙坂さんを囲んでお酒を飲みながらお話を伺うという感じで、このあたりも髙坂さんらしいなと思いました。
で、そのお話のなかで特に印象に残った部分をご紹介します。
田舎なら1人暮らしで月10万、夫婦なら15万、子供がいれば月20万で生活できる
まずは生活コストのお話。
髙坂さんいわく、
田舎なら1人暮らしで月10万、夫婦なら15万、子供がいれば月20万で生活できるとのこと。
この金額をみて都会だとそんな金額じゃ生活できない!と言われるそうですが、田舎だとそんなに必要ないとさえ言われるそうです(笑)
なんでも空き家などタイミングよく良い物件が見つかれば、家賃2~3万円でも大きな古民家など借りられるとのこと。
実際に物件の写真など見せて頂きましたが、こんなに広い敷地でこの値段!?というものでした。
もちろんそんな良い物件が常にあるというわけじゃないようで、現在匝瑳市へ移住を考えているご家族が5組ほど物件を探しているそうです。
あとは米や野菜などある程度自分たちで自給したり、生活コストを下げる努力も必要だと思います。
田舎だって生活コストを上げようと思えばいくらでも上がるわけですし。
ダウンシフトの考えに基づけばこれくらいの金額でOKということですが、生活に必要なお金が減るメリットについてもおっしゃっていました。
半農半Xという生き方
そのメリットというのは、半農半X(はんのうはんえっくす)という生き方だそうです。
これは京都府在住の塩見直紀氏が1990年代半ば頃から提唱してきたライフスタイルで、小さな自給農で自分や家族が食べる食料をまかない、残った時間はそれぞれ自分のやりたいことや仕事に費やすというライフスタイルです。X(エックス)の部分にはそれぞれの人がやりたいことが当てはまるわけですね。
髙坂さんはこれを生業(なりわい)とおっしゃっていました。
少なくとも自分や家族が食べるだけの食糧があれば、心や時間に余裕ができますし必要なお金も少なく抑えることができます。
その結果、自分のやりたい仕事がたとえ低収入だとしても暮らしていけるということです。
月数万円の生業をいくつか持てればそれで十分OKなんですね。
実際、髙坂さんの周りにいる人の名刺には肩書が4つも5つもありました。
田舎ではいくつもの仕事を持っていることはむしろ当たり前とか。
僕はそういった生き方がとても魅力的に感じました。
以前から僕は漠然と自分たちで食べる分の食糧を自給しながらネットを通じて仕事がしたいなと考えていましたので、半農半Xという言葉を知れたことは大きかったです。
言葉で定義付けられたことで、より明確に目指すものが分かった気がします。
自然の中で農業をおこなえば体は健康になっていく
もうひとつ印象的だったのが、農業をおこなうことで体が健康になるということ。
確かに農家のおじいちゃん・おばあちゃんって高齢でも元気に作業している印象です。
やっぱり自然の中で太陽を浴びながら体を動かし作業をするって、どう考えても体に良いですよね。
続けることで筋力もつきますし、精神面でも自然に触れることで気持ちがアップしそうです。
また農作物中心の食事をとることが体に良いということは言うまでもありません。
運動と食事が健康を維持するために重要なのは誰もが分かっていることです。
でも、都会で暮らしているとどうしても高カロリーな食事やお酒を過分に摂取してしまいがち。
ある調査では仕事のストレスを解消するためにすることで、男女とも第一位が「好きなものを食べる」だったそうです。
僕もそうなのでよく分かりますが、お腹を満たす以上に、ストレスを発散する目的で満腹以上に食べてしまうんですよね。それで体重も増えてしまう。
ドカ食いが手っ取り早いんですよね(汗)
農作業で体を動かしながら野菜中心の食生活をしていれば、メタボとは無縁になりそう。
実際、髙坂さんも病院要らずの生活をしているとおっしゃっていました。
高齢になっても元気に動けるためには、日々体を動かす生活をし続けるというのも大切だなと感じました。
まとめ
ダウンシフターズの先駆者ともいわれる髙坂勝さんについてご紹介しました。
農業を通じて人間本来の生きる力を備えたうえで、自分のやりたい仕事や活動をし続けるという生き方を実践されているのは正直羨ましいです。
講演の最後で髙坂さんはこのようにおっしゃっていました。
「自分が今の生活を手に入れるまでに約18年かかりました。皆さんが今すぐ同じような生活を実現するのは難しいかもしれません。けれど一歩一歩それに近づいていく努力をすれば必ず実現することができると思います。」
髙坂さんのダウンシフトの生活について興味をもたれた方は、ぜひ著書を読んでみてください。
僕が読んだのは「減速して生きる ダウンシフターズ」です。
今日はこのへんで。
それではまた!