電通のアドバンストクリエイティブメーカーでバナー作成の仕事は無くなるのか?

電通のアドバンストクリエイティブメーカーでバナー作成の仕事は無くなるのか?

こんにちは、トーモです。

5月16日、電通がAIを活用したバナーの自動生成ツール「ADVANCED CREATIVE MAKER(アドバンストクリエーティブメーカー)」(β版)の開発を発表しました。

 

なんだか長い名前でピンとこないかもしれませんが、

簡単にいうと、

バナー画像をAIがあっという間に作ってくれるツールです。

 

それまでクリエイターが手作業で時間をかけて作成していたバナー画像をAIが簡単につくってしまうというものです。

 

ネット上では早くも、

「クリエイターの仕事無くなっちゃうのでは!?」

「クラウドソーシングの多くの仕事は要らなくなっちゃうね」

なんて声もみかけます。

 

果たしてそうなのでしょうか?

 

僕は個人的にはそんなことは無いのではと感じました。

今回はそのことについて書いてみたいと思います。

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電通のアドバンストクリエイティブメーカーとは?

まずは電通が発表した「アドバンストクリエイティブメーカー」(β版)についてみていきましょう。

電通のニュースリリースによると、

本ツールは、過去に配信されたインターネット広告バナーの表現とクリック率実績を、ディープラーニングを用いて分析することで、パフォーマンスの高いバナーの効率的な生成に寄与します。本ツールではおよそ5秒間に1枚のバナーを生成することが可能で、短時間に候補となり得るバナーを1,000枚以上生成し、その中から特に優れた10~20案を利用することを想定しています。

出典:電通 ニュースリリース

ポイントとしてはまず、

過去に配信されたインターネット広告バナーの表現とクリック率実績を、ディープラーニングを用いて分析することで、パフォーマンスの高いバナーを効率的に生成する。

 

当然ですがバナー画像はクリックされてなんぼです。

クリエイターはできるだけ訴求力の強いデザインを意識し、少しでもクリック率が高くなるバナー画像を目指します。

通常はそれまで自分が作成した経験を基に感覚的に作成する場合が多いです。

過去のデータを検証しながら数字をメインにデザインする方は少ないでしょう。

職人のカンといったら語弊があるかもしれませんが、どちらかといえばそれに近いものです。

 

こういった過去に蓄積されたデータを反映させるということに関しては、人間はAIには到底太刀打ちできないと思います。

 

もうひとつのポイントは、

およそ5秒間に1枚のバナーを生成することが可能で、短時間に候補となり得るバナーを1,000枚以上生成する

 

つまり作業時間の速さです。

当たり前ですが人間の手作業では5秒でバナー画像を作ることは無理です。

しかもそれを1,000枚以上作成するなんていうのはもはや次元が違います。

 

その中から特に優れた10~20案を利用することを想定しているということで、

これが実現したらバナー作成の仕事が変わるのは間違いないでしょう。

 

僕はクラウドソーシングで主にアマゾン用の商品画像の作成を現在おこなっていますが、

バナー画像が作成できるなら商品画像だって問題なく作成できるでしょう。

 

なので、この記事を最初読んだときはけっこう衝撃でした。

いつかはデザインの領域にもAIなどのテクノロジーが入ってくるのかなと思ってはいましたが、

「もうきたのか!?」

という感じです。

 

ネット上でデザイナーの仕事やクラウドソーシングの案件が無くなるのでは!?という意見が出るのもうなずけます。

 

ただ、これだけでそう決めつけてしまうのはちょっと違うのかなと。

 

クライアント・クリエイター双方にメリットになるのでは

あくまでも僕の個人的な考えですが、

アドバンストクリエーティブメーカーのようなAIによるデザインツールは、仮に普及されるようになればそれはクライアント・クリエイター双方にメリットになると思います。

 

AIを利用することで生じるメリット

について目を向けるべきなんじゃないかなと。

 

アドバンストクリエーティブメーカーでは、過去のデータからパフォーマンスの高いものを割り出し、短時間で数多くのデザイン案を作成できるとのことです。

 

現在バナー画像を依頼を受けた際には、クライアントにもよりますがデザイン案をいくつか提出することが多いです。

当然ですが、採用されなかったデザイン案は使われませんので、それに当てた作業時間は無駄になってしまいます。(組み合わせることもありますので、完全に無駄ということはありませんが)

 

いずれにしても1つのバナー画像を作成するのにかなりの時間を必要とするのは確かです。

 

仮にこの工程をアドバンストクリエーティブメーカーで補うことができれば、かなりの時間と労力の短縮に繋がります。

1,000枚以上の中から特に優れた何点かの案をクライアントに提案することで、絞られた状態で作業することが可能です。

 

もちろん、自分では想像しなかったデザイン・配置案が出てくるかもしれません。

これはクリエイターにとってメリットですし、短期間で成果の高いものが納品されればクライアントにもメリットです。

 

アドバンストクリエーティブメーカーでも効果が高いと予測した案を残したうえで、最後の仕上げは人間がおこないバナーが完成するそうです。

 

このツールによって仕事が奪われると感じ、何も考えなければその通り仕事が奪われてしまうかもしれません。

ただ恐れたり不安に思うのではなく、

便利なツールの一つとして利用することでメリットにならないかをまずは考えた方が良いんだと思います。

 

その上でツールが凄すぎて仕事が奪われたらしゃーないです(笑)

 

落合陽一さんも著書でこのように述べています。

この構図は機械対人間ではなく、「人間」と「機械親和性の高い人間」との戦いに他ならないのだから。

出典:超AI時代の生存戦略

AI(機械)と人間が対立するのではなく、結局はAIを上手く利用し使いこなす人が、そうでない人の仕事を奪っていくであろうということですね。

 

ホリエモンこと堀江貴文氏もこのように述べています。

仕事を奪われ「価値を失うこと」を恐れる前に、なぜAIを使いこなし「価値を生み出す」視座を持てないのだろうか。

・・・

見えない未来など、考えていても仕方がない。本来問うべきものは、「未来」ではなく、「今」であり、「今自分が何をすべきか」であるはずだ。

出典:東洋経済オンライン

 

 

まとめ

電通のアドバンストクリエーティブメーカーによってバナー作成という仕事は無くなってしまうのか考えました。

僕の結論としては、

今から仕事が無くなるかもと恐れるよりも、まずはそれを利用してメリットにできる方法を考える。

情報について常にチェックしておくのも大切でしょう。

その上で、ツールが凄すぎて仕事が無くなったらしゃーない。

それはもはや一個人の力でどうこうって話じゃないかなと。

 

そのためにもリスク回避で色々な仕事をやっておいたほうが良いと思います。

バナー作成しかやってませんだと、このツールうんぬんじゃなくて高リスクですから。

 

だって、そもそも5年後にはバナー広告ってもの自体無くなってるかもしれないじゃないですか。

 

あとはこのツールがどんな案を1,000以上出してくれるのか見てみたいですね。

いくら膨大なデータから導き出されたものでも、クリックするのは人間なのでどれくらいのクオリティなのか気になります。

 

今日はこのへんで。

それではまた!

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